明るく 仲良く 正しく

浄土宗保育は阿弥陀さまをご本尊として称名念仏を中心とした宗教的環境の中で行われる保育です。こうした宗教的環境は子どもの宗教感情を満たし、生きる力にもよい働きかけとなるといわれています。それだけでもこの時期の子どもの育ちにかなっているといえるのです。こうした宗教的環境の中で、子どもが仰ぎ見る思いで見つめるまなざしの中に目には見えなくても人間を超えて存在する何かに対する畏敬の念や自然に対する感動の心が育まれていくのです。環境によって畏敬の念や自然に対する感動心が芽生えてくる乳児期はこの時期に育まなければ後になって取り戻そうとしても容易には取り戻すことが出来ないとさえ言われる大事な時期でもあるのです。子どもと過ごす日常生活でお念仏を称えることと同じ意味や力が込められているといわれている保育者自らの「ありがとう」や「ごめんなさい」の言葉がとても大切な言葉となってくるのです。


花まつり 4月8日

お釈迦さまのご誕生をお祝いする行事です。ルンビニ園の花園を模して花で飾った花御堂をつくり、その中に誕生仏を安置します。誕生仏は、右手で天をさし、左手で地をさします。お釈迦様がご誕生の時、7歩歩まれ「天上天下唯我独尊」といわれた故事にもとづいています。ひしゃくで誕生仏に甘茶をかけるのは、お生まれの時、空から甘い雨が降ってきたことに由来します。甘茶は漢方薬として売られているもので、砂糖の甘さと違う独特の味を持っています。これを子どもたちと飲んでお祝いします。また白象はお釈迦さまのお母さまがお釈迦さまを懐妊される前に、大きな白い象が胎内に入る夢を見たというお話に由来しています。


成道会 128 

成道会はお釈迦さまがお悟りをひらかれた日です。6年間の修行後、菩提樹の下に座られて瞑想に入られたお釈迦さまは、128日の早朝、明けの明星の輝いた時、お悟りをひらかれたと言われています。瞑想に入られる前に、お釈迦さまはスジャータという村娘から乳粥の供養を受けられます。


槃会 2月15 

涅槃会はお釈迦さまがなくなられた日です。45年にわたる長い布教の旅の後、お釈迦さまは病を得られ、クシナガラという場所で亡くなられます。沙羅双樹の下、横になられたお釈迦さまを多くの弟子たちや動物たちが取り組んでいる絵を「涅槃図」といいます。死についてお話をする機会ではありますが、お釈迦さまという大きな存在が私たちを大きく包んでくださることを感じる日です。